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【わかりやすく解説】ZEH住宅とは?要件や導入のメリットデメリット

2022年1月29日edoken

家作り


住宅購入を検討し始めて情報収集をしている人は、「ZEH住宅」や、「一次エネルギー」、「省エネ、創エネ」等の文字を見かけることが、多くなってくると思います。

「ZEHって何なの?」と疑問に思う方も多いと思いますので、そんな方にむけて「ZEHとは何か、ZEHにする為の条件、ZEHのメリットデメリット」等をこの記事で詳しく解説していこうと思います。

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▼この記事を読んでわかること!
・ZEHとは
・一次エネルギーとは
・ZEHを実現する為の3つのポイント
・ZEHのメリット、デメリット
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  • 目次
    ❶ZEHとは
    ❷一次エネルギーとは
    ❸ZEHを実現する為の3つのポイント
    ❹ZEHの家を建てると、補助金が貰える
    ❺ZEHのメリット
    ❻ZEHのデメリット

❶ZEHとは


ZEH(ゼッチ)とは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語で、年間の一次エネルギー消費量の収支が実質ゼロ、あるいはプラスになる住宅のことをいいます。

住宅では空調や冷暖房設備、給湯設備などで多くのエネルギー(一次エネルギー)が使われています。そのエネルギーの消費量を抑えて(省エネ)、エネルギーを作り出す(創エネ)ことでエネルギー収支実質ゼロを目指します。

その為に、ZEHでは住宅の断熱性能を上げ、省エネ効果の高い最新設備を取り入れ、太陽光発電を利用してエネルギーを作り出します。「使うエネルギーよりも、創るエネルギーの方が多い家」がZEHとということです。

❷一次エネルギーとは


一次エネルギーとは、自然界から得られるエネルギー源のことです。代表的なものだと「石油、石炭、天然ガス、風力、水力、太陽光」等があります。そして私たちの身近にある、電気や都市ガス等は二次エネルギーと言われます。二次エネルギーは一次エネルギーを加工・変換して得られます。

ここまで聞くと「住宅で使われるエネルギーは、二次エネルギーになるんじゃないの?」と思われる方がいるのではないでしょうか。結論から言うと、住宅で私たちが使っているエネルギーは、二次エネルギーです。国が敢えて「一次エネルギー」と言っているのには理由があって、それは「二次エネルギーだと同じ基準で比較ができない」からです。

二次エネルギーでは、様々な媒体(電気・ガス・石油・薪など)に変換されていて、単位や使用しているエネルギーを同じ基準で比較ができません。

例えば電気はkWh、kWといった単位、ガスでは立米、といった様にそれぞれどっちが多い・少ないかが比較しにくいです。なので共通の指標として「J(ジュール)という単位で統一されている一次エネルギー」に換算した指標が使われているのです。

❸ZEHを実現する為の3つのポイント


ゼロエネルギー住宅(ZEH)を実現するためには、「断熱性能」「省エネ」「創エネ」の三つのポイントをクリアする必要があります。

断熱性能

断熱性能とは、室内外に熱を伝えにくくする性能のことで、「UA値(外皮平均熱貫流率)」という指標で表されます。このUA値が0.4〜0.6[W/㎡K]以下に収めることが、断熱性能においての基準です。

住宅の断熱性能を高めるには「断熱性能が高い断熱材を入れたり、窓ガラスやサッシの素材を断熱性の高いものにする」などの方法があります。

断熱性の高い家は、夏の熱い外気を室内に伝えず、冬の室内の温かさを外に逃しません。断熱性が高いと住宅内のエネルギー効率が高まり、少しのエネルギーで家の中を快適な温度に保つことができるようになります。その結果使用する電力が減るので、一次消費エネルギーを抑えられ、月々の光熱費も安くすることが出来ます。

省エネ

ZEHを実現するためのポイントの2つ目は「省エネ」です。住宅設備の内「空調・照明・給湯・換気」の4項目には、ZEH基準を満たした機器を使用する必要があり、省エネ率を20%以下に収める必要があります。

「空調・照明・給湯・換気」などの設備を省エネ性能の高いものにすることで、無駄なエネルギー消費を防ぎます。

省エネ率とは、正確に言うと「再生可能エネルギーを除いた場合の一次エネルギー消費量削減率」のことです。しかしこれだと分かりづらいので、もっと砕いて説明すると「創エネ設備で創ったエネルギーを、除いた場合のエネルギー削減率」になります。

例えばもともと1万円掛かっていた電気代が、省エネ設備を導入したことで8千円まで下がったとします。この場合、2千円分エネルギー消費量を削減できたことになり、省エネ率20%となります。

創エネ

創エネとは、エネルギーをつくり出すことです。消費エネルギーを0以下にするには、太陽光発電や家庭用燃料電池(エネファーム)などの創エネ設備でエネルギーを創り出すことが必要です。消費エネルギーの削減にも基準があり「消費エネルギー削減率が100%以上」が条件です。

消費エネルギー削減率は「創エネ設備で創った電力を、加えた場合のエネルギー削減率」のことです。

例えばもともと1万円掛かっていた電気代が、省エネ設備を導入したことで8千円まで下がったとします。そして創エネによって8千円分の電気を、自家発電で賄うと、電気代の総和は0になります。この状態が「消費エネルギー削減率100%」になります。

❹ZEHの家を建てると、補助金が貰える


ZEHにすることで貰える補助金額や貰う為の条件等については、別の記事で詳しく解説しますのでここでは簡単に説明します。

ZEH仕様の住宅を建築・購入すると、1棟につき55万円の補助金が貰えます。更に、ZEHよりも厳しい基準をクリアした住宅は「ZEH +」と認定され、100万円の補助金を貰うことも可能になりました。

❺ZEHのメリット

①光熱費が安くなる

省エネ性の高い設備や、太陽光発電を導入することで、月々の光熱費を抑えられます。今までは売電で得られる利益の為に、太陽光発電を導入されていました。

しかし現在では売電価格が下がってきていて、売電での利益はかなり下がっています。ただ、私たちが普段買っている電気の購入金額は、年々上がっています。太陽光発電を導入すれば、その高くなった電気を買わなくて済むようになるので、導入する意義は大きいと言えます。

②停電時でも電気が使える

太陽が出ていることが前提条件となりますが、災害時や停電の際に、電気が使えるようになります。災害などで停電してしまって、復旧のメドが立たない時に、太陽光発電があると心強いです。

それと合わせて蓄電池や、電気自動車を持っている方であればEVの充電コンセントも導入すると、夜間や天気が悪い時間帯でも、電気が使えるようになります。

電気自動車を持っている方であれば、「発電した電気を車に貯めて、その電気を夜間に使う」等の、蓄電池と同じような使い方も出来ます。ちなみに蓄電池を導入した人には、追加で補助金が出ます。

③快適な住環境

ZEH住宅は断熱性能にも基準があるので、必然的に断熱性が高い家になります。断熱性が高いと室内と屋外との熱の移動を、少なく抑えられます。

なので「夏では外の気温の影響を受けにくく、部屋の温度を一定に保てますし、冬では暖房で暖めた空気を外に逃がしません」。つまり一年中快適に過ごせる家ということです。

④補助金が貰える

日本は2050年までにカーボンニュートラルの実現を掲げています。カーボンニュートラルを簡単に説明すると「二酸化炭素などが代表する温室効果ガスの排出と、その吸収量を同じ量にして、実質的に排出量をゼロにすること」です。

地球温暖化が進んでいて、このままのペースで気温が上がり続けると、最悪2100年までに、ニューヨークやサンフランシスコが水没するという予測もある程です。地球温暖化問題を食い止めるためには、カーボンニュートラルの実現が重要になってきます。

そのカーボンニュートラル実現の為に、住宅業界で行っている施策が住宅のZEH化です。ZEHの普及を図る為に、国から「ZEH一棟につき55万円、ZEH+であれば100万円」まで補助金が出ます。

ZEH住宅は、月々の光熱費を抑えられるので、長く住めば住むほどお得になります。初期費用は掛かりますが、長い目で見ればプラスになると考えられます。

❻ZEHのデメリット

①建設費用が高い

太陽光発電や高品質な断熱材、高効率な住宅設備を導入する必要があるので、建設費用は高くなります。長い目で見ればプラスになると思いますが、無理してまでZEHにするとローンの返済が苦しくなってしまいます。自分の収入に合わせての住宅購入を検討するようにしましょう。

②間取りや屋根の形が制限される

ZEH住宅の条件である高い断熱性と太陽光発電の設置。この2つを実現するとなると、窓や屋根の形が制限される可能性があります。

断熱性を良くするには気密性を高める必要がありますし。そうなると大きな窓や開放的な間取りの採用が難しくなる可能性が出てきます。屋根についても太陽光パネルを設置しなければいけないので、複雑な屋根の形が難しかったり、片流れ形の屋根に制限されてしまったりも考えれます。

自分の中の譲れない条件を洗い出して、「自分の希望する間取りや条件で、ZEHにすることが出来るかどうか」を確認してから検討しましょう。

③太陽光発電が安定しない

太陽光発電は、太陽が出ていることが前提条件です。天候の悪い梅雨や、日照時間の短い冬などでは、発電量が減ってしまう可能性があります。そのことを把握した上で、年間支出の計算をするようにしましょう。

④メンテナンス費用が掛かる

太陽光パネルや、太陽光で発電したエネルギーを電気に変換するパワーコンディショナーという機会は、定期的にメンテナンスが必要になります。

太陽光パネルの定期的なメンテナンスは、平均で4年に1回ぐらいで、1回の費用は2万円前後が相場です。パワーコンディショナーにも寿命があり、一般的には15年と言われていて、交換する場合20万円前後の費用がかかるので、その点も購入時に考えておきましょう。

まとめ

    ・ZEHとは「使うエネルギー量と同じか、もしくはそれ以上のエネルギーを作り出し」エネルギー収支を実質ゼロにした家

    ・一次エネルギーとは、自然界から得られるエネルギー。住宅で使われるエネルギーは二次に当たりますが、比較をしやすくする為に、一次まで遡って表現されます。

    ・補助金が貰える ZEH一棟60万円、ZEH+は105万円

    ・ZEHのメリット
    -光熱費が安くなる
    -停電時でも電気が使える
    -快適な住環境
    -補助金が貰える

    ・ZEHのデメリット
    -建設費用が高い
    -間取りや屋根の形が制限される
    -太陽光発電が安定しない
    -メンテナンス費用が掛かる

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